top of page

キコリ谷テラス

                        ―丹後にオーガニック野菜のおいしさを!―

                             キコリ谷テラス 大場亮太さん・稲鍵佐代子さんご夫妻

  1. いつから農業を始めたのですか? 

 6年前から農業を始めて、今は3か所1.4ha分の畑の耕作と直売所兼カフェの経営をしています。農地は1つずつ増えていき、空き物件を借り、最初は作業場として利用していましたが、その半分を利用して直売所兼カフェを始めました。 

​ また、SORA農園・HandS farm・IHATOV・農家パン弥栄窯、さかな屋よしだを中心とするTango Organic Farmer's Marketという丹後のオーガニック農家、生産者が集まったグループでファーマーズマーケットも開いています。 

P_20190902_143545_preview.webp
(写真)大場亮太さん、稲鍵佐代子さんご夫妻 

2. 農業を始めたきっかけは何ですか? 

 きっかけは、より普遍的に人を喜ばせたいと思ったことです。もともとは神奈川県で音楽や映像の制作会社を経営していて、エンターテインメントによって人を喜ばせたいと思っていました。しかし、6年前に東日本大震災が起きて、多くの方が被災し、エンターテインメントだけでなく、もっと身近で普遍的なもので人を喜ばせたいと思いました。そして、それが「食」であると考えました。私は学生時代に農業体験をしたことがあり、妻は料理を学んでいたので、農業をしようと思ったんです。それからは、まず山梨で有機農業について学びました。有機農業の面白さを知ったのはこのときです。それから海と山がある自然豊かな京丹後に移住を決めました。京丹後は妻の祖父の地元で、いわゆる孫ターンですね。京丹後に来てからは、梅本修さんという近隣の農家の方に3か月間教わりました。 

     

3.どのような農業をされているのですか? 

 「有機農業」をしています。有機JAS規格に認証されています。土や肥料には化学肥料や農薬を使いません。その代わりに、京丹後の精米店の米ぬかや自作の肥料をまくことで栄養を与えています。手作りの肥料は、米ぬかの他に、落葉やもみがら、刈草などの堆肥を使用し、土作りができていない畑は牛糞堆肥などを使って、麦や大豆などの穀物を作っています。使用する牛糞堆肥は牛が食べたものが把握できるよう近くの牧場から仕入れています。 

そして、「ローカルファースト」を心がけています。農業を始めた当初は、神戸・京都・東京などに農作物を出荷していましたが、2年前からは主に京丹後市の近郊のスーパーやレストランを中心に出荷するようになりました。また、私たちのレストランで使っている食材もすべて京丹後のものです。 

IMG_0268_preview_edited.webp
(写真)カフェで頂いたランチプレート 

4.どのような作物を栽培しているのですか? 

 30品目、細かくは100種の作物を育てています。例えば、ビーツやケール、人参、大根、小麦や大豆などの穀物類などです。小麦は近隣のパン屋さんに使ってもらうために作り始めました。このように少量多品種で栽培すると、1つが不作でも他で穴埋めができるためリスクを回避できます。しかしその分効率が悪くなってしまうので、メリハリをつけて栽培しようと心がけています。畑は3か所に分かれているので、それぞれの土質に合わせて野菜を育てています。

キャプチャ.PNG
(写真)農場の様子 

5.キコリ谷テラスにはどのようなお客さんが来られますか? 

 性別も年齢層も様々です。遠方からお越しになる方は、キコリ谷テラスを目的に来る方もいらっしゃいますが、ドライブの休憩がてら立ち寄る人も多いですね。直売所の利用者はほとんど地元の方です。丹後の地域内で循環させたいという思いがあるので嬉しいです。主に口コミとFacebookでPRをしていて、丹後でのこの活動を外へと発信したいと思っています。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

​​​​​​​​​​​​               (写真)キコリ谷テラス、カフェ内の様子 

 

6.キコリ谷テラスのコンセプト、想いを教えてください。 

 直売所兼カフェを始めたのは「野菜の味を知ってほしい」「丹後の食材を知ってほしい」という想いからです。普段あまり目にしない野菜の食べ方を伝えたいと、ビーツなどのめずらしい野菜もランチプレートに取り入れています。なので、野菜が採れないときは無理に営業しないと決めています。 

​​​7.将来の展望を教えてください。 

 食を通じて、いろんな人を喜ばせたいという想いでやってきました。だんだんと丹後でも広まり、地域のお客さんが来てくれるようになったのはとてもうれしく、この調子で続けていきたいと思っています。また、農家の高齢化を目の当たりにして、次の世代へとつなげることも私たちの仕事の一つだと感じています。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              (写真)取材班と、大場亮太さん稲鍵佐代子さんご夫妻

 

キコリ谷テラス  〒627−0143 京都府京丹後市弥栄町船木407 

定休日:毎週月曜・木曜 

Facebook:https://www.facebook.com/TangoOrganicFarmersMarket/ 

 

(取材:2019年9月2日) 

​​​​​​​​​​​                           ​​

キャプチャ2.PNG
キャプチャ3.PNG

~インタビューを終えて~ 

 農家の方の話を聞くという機会が今までにあまりなかったので、農業を始めた理由などを知ることができませんでした。今回、お話を聞いて、農業を始めたきっかけや、そこにある想いに触れられることができてとても有意義な時間を過ごすことができました。また、大場さんの多くの人に野菜を食べてほしい、そしてその野菜を食べた多くの人に喜んでもらいたいという願いを聞いてとても感動しました。レストランで頂いたお料理もとてもおいしく、野菜への愛が感じられました。このような、貴重なお話を聞く機会をいただき、本当にありがとうございました。(濱地) 

 

今回のフィールドワークでは生産者ならではの苦労や手間、こだわりに気付けたと思います。不確定要素の多い自然を相手にする難しさや、それでも農業をしたいという野菜への愛情のようなものを感じました。また、今の生活をとても気に入っている、と本当に楽しそうにお話されている姿が印象的でした。(倉谷) 

野菜は地域の方に合わせた品種を栽培したり、肥料から消費者まで地域で、と心がけていらっしゃる姿に、地域にいいものを提供するというキコリ谷テラスさんの信念を感じました。そして野菜のおいしさにも感動しました。頂いたランチはおいしいだけでなく、見目も鮮やかで、地元の方々がまた食べたいと足を運ぶ魅力が伝わりました。何より、農業を楽しんでいらっしゃることを感じました。多くの品種を栽培されていますが、野菜一つ一つの特徴を楽しんで育てていらっしゃいました。お話を聞く中で、農業の難しさとともに面白さが感じられました。(為村) 

​​

キャプチャ4.PNG
キャプチャ5.PNG
キャプチャ6.PNG
bottom of page